2004年の報告など


●2004年12月12日 10:00-17:30 京都教育大学物理実験室
第46回研究会。14章を中心に開催。
<参加>内村,北野,栗木,鍵山,岩間,笠,金崎,谷口,山崎,萬處


・実験
 ボルツマン分布を確かめるゲーム(笠 上の写真)
 6×6のマス目にひとつずつコマを入れ,サイコロを2個振り,コマを確定して次のサイコロで出た目のところにコマを移動。10回〜50回と繰り返していくと,マス目にあるコマの数0〜7の分布が指数で減少していくのがわかる。一般には,マス目にコマの数1個というのがもっとも多そうに感じるが,コマの数0個から指数で減っていくのが見て取れる。(オグボーン先生が古い時代に統計物理を教えるために考案と聞く)
 
・Activity 
 13.1節
 Reading 10T,20T(山崎)
 18世紀後半のフランス。シャルルの法則と熱気球の発展との関係,水素の発見,戦争との関連,科学のパトロンとフランス革命,科学の大衆的理解などを読み物に。
 Question 40S(萬處)
 pV=nRTを用いた計算練習

 14.1節
 90D,100S,110E(遠山)
 90D 液体窒素でものを凍らし,固さの変化,抵抗値の変化などを見る
 100S ソフト「Molecular Dynamics」を使用するものだが,未購入
 110E 卵のパックにボールを入れて揺り動かし,飛び出す様子を見て考察
 120H,130S,140S(谷口)
 120H 家庭で,やかんの水を加熱,ガスコンロの毎秒の熱量を計算してから沸騰させ,水1分子が蒸発するのに必要なエネルギーを計算する
 130S 各金属の比熱からモル比熱をexcelで計算し,モル比熱は金属の種類にほとんどよらないことを確認する
 140S 1sの鉛,鉄,銅などを加熱するグラフを与え,モル比熱をexcelで計算する。グラフの傾きそのままで計算すると,理論値よりややずれるが,加熱するスイッチを切ったときグラフが下がる傾きから放散する熱量を計算して補正すると,それぞれ値が近くなる。
 Question 20S,25S,30S(山口)
    分子の定性的な変化,1分子当たりのエネルギーの計算,起こりそうな分子の分布の推定等
 35S,40S,45X,50S(山崎)
    テキストにあるように,ε/kTが30くらいになると,実際に起こる反応になる。これは分子全体の1/10^13くらい。
    エネルギーをeV,kJなどで計算できるようにして,水の蒸発,陶器の融解,太陽中の水素のイオン化など多くの例で実際にε/kTが30くらいになることを確認する
 Reading 10T,20T(栗木)
    アインシュタイン固体で,調和振動子にエネルギーが等分配し,3kTになること,常温ではデュロン・プティの法則が成り立つが,低い温度ではずれることなどの読み物
    
 14.2節
 Activity 150E,160S,170S,190S(萬處)
    ランダムにエネルギーのはしごを上がり下がりすると,ボルツマン分布の指数のように分布することを,簡単な実験やmodellusを用いて確認する。
 Activity 200E,230E,240E,250E,260E,(笠)
 200E 上記と同様
 230E 120Hの実験と同様
 240E サーミスタを用いて,半導体の流れる電流がボルツマン分布に比例することを確認する(次回 実験)
 250E ポリエチレンのクリープ速度 温度によって増加。次回までに,ポリエチレンの構造調べる。この材料できれば入手して,クリープ速度確認する。
 260E 時計反応 化学の授業では濃度依存を用いることが多いが,ここでは温度依存に注目。(次回実験)

 懇親会
メンバーの一人の結婚祝賀を兼ねた忘年会です。「なかま」にて。


●2004年9月19日 10:00-17:30 京都教育大学物理実験室
第43回研究会です。8月の公開講座を振り返っての話し合いや報告など。
午前中は生徒発表のときのビデオを見て,参加者全員で評価。
午後はそれぞれが実験班を担当したときの様子や生徒の変化などを報告。

終了後は懇親会へ。


●2004年8月27日 9:15-13:00 京都女子中学高校にて
『高校で「統計物理」と「原子・原子核物理」を教えるカリキュラムはいかにしてつくられたか(ハンガリーの物理教育改革の試み)』
  講演  ハンガリーの教育制度と物理教員の組織 サンドル・ウバリ氏 
  講演  「トス先生の物理教室」をどのように開発したか  エステル・トス博士

上記のような講演会を本研究会主催で行いました。

開会のあいさつを行う,本研究会代表の村田先生(写真中央)。


サンドル・ウバリ先生の講演(日本語訳は笠先生=写真右)
ハンガリーの物理教員の組織化についてなど


エステル・トス先生の講演
冒頭の実験仕込み,そして最後の実験はさすが物理教員としてのアイデアある方法でした。
丁寧な英語の話し方と,OHPの読みやすい配慮が印象的でした。


約20名の参加がありました。活発な質疑応答はやがて英語によるやりとりと発展していきました。



●2004年6月20日 10:00-18:00 同志社高校にて
第38回研究会です。集まりが悪く,1時間後に開始。
まず日本語に訳されて出版されたばかりの「アドバンシング物理 新しい物理入門」を眺めたり手にとって話したりしました。
 この写真では難しそうな顔をしていますが,本当は楽しんでいるメンバー達。

第3章
Activity100 CDに穴を開けて聞く 以前報告した1oの穴を開けたCD,CDラジカセでは止まってしまって聞けなかったのに,栗木パソコンの「メディアプレーヤー」ではトラック1はクリア,もう一つのトラック3で静止してしまいました。さらに,萬處パソコンの「メディアプレーヤー」ではトラック3もクリア,修正機能が微妙に違うのかよくわかりませんが,CDラジカセよりパソコンの方が修正機能があるようです。萬處,マジックでCD表面塗りつぶす実験も(萬處・山崎)
Activity 120 電波の偏向,偏光実験 日本でも授業でよく使っている実験,同志社高校にある中村理科製「光弾性演示」「電波実験器」で確認。液晶でもNECは縦横,IBM,SONYなどは斜めに偏光板,携帯電話も斜めの偏光板であること確認。


Activity 130 散乱による偏光 散乱実験でどちらに偏光しているのかを調べる実験だが,話題はハチなどがこれにより太陽の位置を確認できることが中心だった。太陽光の散乱の偏光を確認。ハチの目については岩間報告もあり。
Activity 140 反射光の散乱 面の位置,角度(オリエンテーション)により偏光が違うことの実験 (以上 萬處)
Question 120 縦波と横波 どちらが偏向
Question130 衛星通信で偏向を利用している方法
Question140 偏向の利用 太陽の位置の決定,テレビとラジオの違い 偏向フィルターでの振動方向の回転など (以上 岩間)
Activity 110(家庭実験)家でのラジオ,テレビ,そのアンテナを調べる
 室内テレビアンテナ 人がいる場所によってよく見えたりそうでなかったりと違いを調べる
Question 80 電磁スペクトルを表にする
Question90 波の式を用いて,各種波長を計算する
Question100 補聴器,携帯電話の波長,周波数
Question110 海事通信(comprehension) 議論は,マイクロ波を利用している衛星放送の水に対する弱さ,強い雨の日は写りが悪い 水の影響は (以上 山口)
Activity 190〜210 フィルターを用いる
Activity190,210はデジタルフィルター,ソフトウェア「Cool Edit」を使用,
Activity200は,実験でフィルターユニットを用いてテープから出した音にフィルターをかけて,音の違いを聞き,オシロで調べる実験ソフトウェア「Cool Edit」が結構面白い。APのCD−ROMに内蔵しているものでは機能が一つしか選択できないため,立ち上げたときに,「フィルター」を選択しないと,このActivityは実施できない。
Activity190では,Filesの中の「speech」からwavファイルを選択し,フィルターで高周波数をカットし,音の違いを聞く。スペクトルviewで違いも見る210では,これもFilesの中からラジオとホイッスルの音を選択して立ち上げる。高周波数をカットしたり,逆に高周波数だけを取り出したりして,2つの音をよりわける。 (以上 笠)


●2004年5月30日 10:00-18:00 於:京都教育大学物理実験室
第37回研究会が開かれました。第1章の残りと第3.1章を研究分担の発表および討論で深めました。
 
上の右写真は,音楽CDに穴をあけているところ。Activity 100Dに書かれていた内容です。今回はうまく再生できませんでした。原因はCDの表面(ラベル面)についたゴミを払拭したところ,データを記録している面まではがれてしまい,再生エラーとなったようです。きれいに穴をあける必要があります。次回に持ち越し。
また,Reading 40Tの「CDプレーヤーの光学」はとても面白く,CDのデジタル(0と1)の記録と読み取りのしくみは勉強になりました。

朗報です 下のように,谷口先生が講演された応用物理学会から「講演奨励賞」を受賞しました。なんとメダルも。ご覧下さい。



●2004年5月2日 10:00-17:00 於:京都教育大学物理実験室
第36回研究会です。
  第3章シグナリングの概観やティーチングプラン
  Activity20D 30D 40D
  Question110S 120S 130C 140S
  Activity160D 170E 180D 190E 200D 210D
などを検討。
特にReading 20T視覚的な思い違い(錯視)のコレクションがあり,楽しめました。中には「伊東家の食卓」というTV番組で紹介されているものもありました。
(申し訳ありませんが,ホームページ担当者がデジカメを忘れてしまい,別の参加者が撮影したものを後日報告します。)

その後,懇親会ということで鳥せいへGO! この研究会が飲み会をするのはとても珍しいのです。季節がら,観光客らしき人で店の前は長蛇の列。普通なら2時間待ちという感じでしたが,そこは名幹事のおかげでスムーズに入店し,とても盛り上がりました。一部は2次会に突入・・・ 報告不可能の域に。


●2004年4月11日 10:00-18:00 於:京都教育大学物理実験室
本日もLANを構築。
Advancing Physics A2 に付属のCD−ROMに「SCION IMAGE」という画像解析ソフトがあります。
これは単に画像を加工するものではなく,分析のためのソフトです。木星の衛星での噴火の様子や,人の指の骨折のX線写真の分析も実習しました。
夏の公開講座に向けて自分たちで写真を撮影しなければなりません。→会員の皆様,よろしくお願いします!



●2004年3月7日 10:00-18:00 於:京都教育大学物理実験室
今日はノートパソコンを持ち寄り,LANを構築。ファイルの交換が素早く行えました。
 まず「ユーロスター高速鉄道」の和訳解説と討論
 第15章の評価をめぐる話し合い
 2校合同で行われたモデリング実習(モデラスを用いて)の報告
 和歌山との交流会の報告
 今後に取り組む第1章Imagingのイントロダクション


モデラスによる惑星運行モデル。時間ステップを変えるとずいぶん異なる軌跡が描ける。
しかし,時間ステップが細かければ細かいほどよいというわけでもないことも分かりました。


●2004年1月10日 14:00-19:00 於:平安女学院中学高校
あけましておめでとうございます
Activity290Eからの実験です。日本でもおなじみの,平行電流のおよぼす力です。下写真の左はActivityに書かれているようにアルミホイルで実験した場合。討論の中で山崎先生だけがエナメル線で授業をしているとの話があり,さっそく試すことに。下の右写真です。なんと!細いエナメル線を用いたところ,演示効果の高い動きが観察できました。参加者一同から歓声が上がりました。流した電流は6A程度でした。
  

スリンキーに電流を流して,全体的に縮むかどうかの実験。いろいろ工夫してなんとか分かるという感じ。


討論の様子。




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